漫画「モンキーピーク」考察!猿の正体、生き残りは誰か、八木の正体とは、色々考えました(ネタバレ注意)

漫画「モンキーピーク」考察!猿の正体、生き残りは誰か、八木の正体とは、色々考えました(ネタバレ注意)

2016~2019年に「週刊漫画ゴラク」にて連載された大人気漫画「モンキーピーク」における謎や伏線について考察を行っていきたいと思います。

初版発行日2017年2月9日発売
作者原作:志名坂高次、作画:粂田晃宏
巻数全12巻(コミックス)
ジャンルサスペンス、バイオレンス、ホラー
WikipediaモンキーピークのWikipedia
モンキーピークの概要

伏線を説明する上であらすじや最終回の解説を行うためネタバレを含む場合があります。
まだモンキーピークを見ていない方は最初にモンキーピークを見て下さい。

モンキーピークのあらすじ

藤谷製薬は社員の団結を深めるため、全社員で谷川岳のしらび山を登山していました。

登山初日、テントが寝ていると社員の早乙女が猿の奇声を聞きます。
奇声を聞いた早乙女がテントから出ると、ナタを持った猿人が立っていました。
猿人がいたテントには社員の鈴村がめった刺しにされて死んでいる姿が…
 
鈴村が預かっていた全社員の携帯電話は消失
途方に暮れる藤谷製薬の社員全員で下山する事を決めますが、猿が襲い掛かり次々と犠牲になる藤谷製薬の社員たち
謎の猿との戦いが始まります。

各巻ごとのあらすじは以下にて紹介しています。

モンキーピークの最終回

モンキーピークの最終回は第二部(モンキーピーク The Rock)へ続く形でのストーリーとなっていますが、概要は以下の通りです。

谷川岳の惨劇から帰還した宮田、早乙女、佐藤は喫茶店で話をしていました。

そして、3人は今回の事件について歴史に残るように書籍化することを決めますが、本の原案について話し合っていました。

早乙女は左足だけで5ヶ所骨折、肋骨も4本骨折し、足の指も3本切断
佐藤も右手の切断と右目の負傷と重傷を負いましたが、生があることへの幸運を感じていました。

今回の藤谷製薬の不祥事に対して立ち上げられている「被害者の会のホームページ」には以下のような警告が…

”猿”はまた現れる…

悪は必ず裁かれる

怒りは人を”猿”に変える

”猿”は見ている。

全ての人間に向けて

「悪は必ず滅ぶ」

3人は被害者や林、長谷川の死を無駄にはしてはいけないと痛感し、伝える事で自分たちの存在意義を示そうと考えます。

書籍のタイトルを「猿山」と名付け、打ち合わせを始めるところでモンキーピークは終了となります。

モンキーピークの生き残り

モンキーピークは結果として早乙女、佐藤、宮田が生き残ります。

40名いた藤谷製薬社員の生存状況についてまとめてみました。

1日目
藤谷製薬社員4名 猿に襲われ殺害(第1巻)
2日目
藤谷製薬社員18名 猿に襲われ殺害(第1巻)
辻 氷室に襲われ殺害(第1巻)
馬場、寺内 猿に襲われ殺害(第2巻)
富久(社長) 小屋の毒入り缶詰を食べて死亡(第2巻) 
3日目
生存者14名 
八木満、八木薫、登場。一行に加わる(第3巻)

岡島 猿に襲われ転落死(第4巻)
八木薫 猿に後ろから刺され出血死(第4巻)
黒木 猿にモリで刺され出血死(第4巻)
4日目
生存者12名(+八木満)
南 佐藤に蹴られ転落死(第5巻)
5日目
生存者11名(+八木満)
遠野 猿を道連れに爆死(第6巻)
6日目
生存者10名(+八木満)
救助隊員5~6人 救助に来るも猿によってヘリコプター墜落させられ殺害
田中 VTRを撮影された上で斬殺(第7巻)
八木満 魔猿によって転落させられ死亡(第8巻)
藤芝 凍死(第8巻)
7日目
生存者8名(トオル+山猿襲来、田畑合流)
飯塚 長谷川によって刺殺(第9巻)
氷室 山猿によって殺害(第10巻)
長谷川 山猿に喰われ死亡(第11巻)
トオル 安斎によって射殺(第11巻)
魔猿 安斎、林の発砲、佐藤による爆破から転落死(第12巻)
林 服薬した毒によって死亡(第12巻)
田畑 安斎の投げた投石により出血死(第12巻)
安斎 落下時に岩に刺さり失血死(第12巻))

藤谷製薬の生き残り

早乙女、宮田、佐藤 計3名

各巻のあらすじについては以下をご覧ください。

八木兄弟の正体

モンキーピークで最もインパクトを残したキャラクターと言えば八木兄弟だと思います。

最終的には二人とも猿によって殺害されていますが、最終的には八木が犯人なのではないかと思った読者も多いのではないでしょうか。

八木兄弟の特徴をおさらいしておきましょう

八木兄弟の特徴
・20回六ッ倉連峰(しびれ山)を攻略している達人(衛星電話も所持)
・目力が強く、表情が普通ではない
・兄弟の距離感が近すぎて何かの関係を疑われる
・兄の満は郷土史に詳しく、「六ッ倉猿神奇聞」から犯人を猿神だと命名
・兄の満は猿を上回る身体能力を持っている
・死体は見慣れている(滑落死のぐちゃぐちゃな死体も見慣れている)
・兄の満は猿を倒すために社員の救出をせずに囮に使う
・圧倒的な身体能力で猿2体を倒す

「六ッ倉猿神奇聞」から犯人を猿神だと命名したあたりは最高に怪しいですよね。
この時点で犯人と何かしらの関りがあるはずだと思った読者は多いと思います。

しかし、結果的には八木兄弟は猿たちとは何の関係もなく、最終的には2人とも猿によって殺害されてしまいます。

二人とも純粋なクライマーで山登りの達人だったという結論になりますが、役割としては犯人のダミーとして物語をずっと引っ掻き回してくれた存在だと言えます。

特に八木満の最後となる猿との戦いは迫力満点で大いに感情移入させられました。

事実上、モンキーピークの中で最もインパクトがあるキャラクターになったので作者の思惑は見事にはまったというべきでしょう。

猿の正体(ネタバレ注意)

猿は複数体出現しますが、作中では猿4体が登場し、3体の正体が明らかになっています。

ここでは正体が明らかになった順番で猿の正体についておさらいしていきます

猿の正体
1体目 水口さなえ(女子大生登山家)

2体目 長谷川(人事部長)

3体目 山猿(トオルの飼い猿)

4体目 正体不明の猿

1体目 水口さなえ(女子大生登山家)

崖での戦いで八木満によってピッケルに打撃を与えられ、その後転落させられ死亡。

10代でマッキンリーやエベレスト、マナスルにも上っている有名人で専門誌などにも顔を出す有名人

2体目 長谷川(人事部長)

飯塚殺害時に自分は猿の仲間であること、猿の衣装を着て社員の前に現われた事が明かされます。

3体目 山猿(トオルの飼い猿)

3体目は人間ではなく本物の猿です。

身体能力は人間の比ではなく、山の中では最強の人間であることを自負していた八木満をあっという間に倒してしまった化物。
藤谷製薬の薬害被害とは関係のない悪童トオルの飼い猿であることが明らかになっています。

4体目 正体不明の猿

鉈で辻を殺害した猿、頂上での最終決戦に現われますが、山猿によって瞬殺されてしまいます。

モンキーピークのストーリーについては以下をご覧ください。