漫画「ノイズ(noise)」考察!連載終了は打ち切りだった?映画と漫画(原作)の違いはどこ?(ネタバレ注意)

漫画「ノイズ(noise)」考察!連載終了は打ち切りだった?映画と漫画(原作)の違いはどこ?(ネタバレ注意)

2018~2020年に「グランドジャンプ」にて連載された大人気漫画「ノイズ(noise)」について『連載終了は内きりによるものだったのか』の考察、そして映画版と漫画版の違いについて調べてみました。

初版発行日‎‎‎2018年5月18日発売
作者作者:筒井哲也
巻数全3巻(コミックス)
ジャンルサスペンス
Wikipediaノイズ(noise)のWikipedia
記事公開後も情報の更新に努めていますが、最新の情報とは異なる場合があります。(更新日は記事上部に表示しています)

考察を行う上であらすじや最終回の解説を行うためネタバレを含む場合があります。
まだノイズ(noise)を見ていない方は最初に軍鶏を見て下さい。

ノイズ(noise)のあらすじ

イチジク園により村おこしに成功した猪狩町

ここでイチジクを作っていたのは泉圭太
圭太は幼なじみの田辺純と共にイチジク農園を運営していました。

そんな猪狩町に一人の凶悪犯罪者がやってきます。
その男の名前は鈴木睦雄

過去の女子大生ストーカー殺人を起こした人物で事件当時の小御坂睦雄という名前から改名していました。

睦雄は猪狩町に来る前に義父である賢治を殺害していていたのでした。
睦雄の存在によって猪狩町に信じられない災いが起こる

各巻ごとのあらすじは以下にて紹介しています。

ノイズ(noise)の最終回

圭太は一連の事件を解決するため、鈴木睦雄の死体を利用して自らの死を偽装する作戦を実行します。

この作戦を知ってか知らずか町民や新しい駐在は容認し、共に隠ぺい。
これらの背景から事件は解決しない状態となり、捜査も打ち切りとなりました。

< 事件から3年後 >

猪狩町は補助金などもあり学校などが建てられ、街の空気も変わっていました。

純は圭太の元嫁と再婚し、娘の恵理奈を養いつつイチジク農園を圭太から引き継ぐ形で経営を続け、全てのカタがついたかに思いましたが刑事の畠山だけは一連の事件に不信感を持ち事件を捜査していました。

恵理奈は畠山の姿を見て圭太が生きている事を確信し、山中に向かい圭太を探しに行きます。

探している途中、恵理奈は山から転落。
枝が突き刺さり、血まみれになってしまいます。

身動きが取れない恵理奈はかつて圭太に習った草笛(葉っぱで作った笛)を使って助けを求めます。

すると圭太はその音を聞きつけ恵理奈の元へと駆けつけると、恵理奈の身柄を確保し、純と元嫁がいる家へと送り届けます。

恵理奈の看病をお願いした圭太はその後、畠山に手錠をかけてもらうよう願い出ます。

今まで罪から逃れていた事への罪悪感が消えてなかった圭太は純に対して「ありがとう。これで俺も罪を償う事ができる」と言います。

ここから全てが明らかになり、ナレーションが流れます。

3年間山中で潜伏生活を送っていた男とその生活を支援し続けた幼馴染みの男容疑は殺人と死体遺棄
3年前、平和な田舎町に突如悪意の塊の様な異物が現れた。

その脅威を排除するため彼らは決して許されない過ちを犯した

その過ちを隠すために重ねた嘘がいつしか深い闇となって彼らの町を覆っていった。

その闇を打ち払ったのは、最も純粋な思いを持つ者の力だった

今はまだ混乱の最中だが、やがて周囲の雑音も消えるだろう

いつかその時まで、傷を負った者達の元に寄り添いたいと思う

そして「ノイズ(noise)」は終了となります。

【考察】ノイズの最終回は打ち切りだったのか?

「ノイズ(noise)」は全3巻と短編で終了する作品になっている影響もあり、連載終了になってしまったのは内きりだったのではないかという声もネット上に散見されています。

この打ち切りかどうかという点については考察しましたので、私の意見を交えながら「ノイズ(noise)」は打ち切りによって連載終了になったのかを考えていきたいと思います。

結論から申し上げますと「ノイズ(noise)」は『打ち切りでの連載終了ではない』と判断します。

理由は以下の通りです。

ノイズが打ち切りではない理由
・ストーリーがシンプルに収まっていた
・筒井哲也作品に短編が多い

・ストーリーがシンプルに収まっていた

「ノイズ(noise)」は全3巻と短編ではあるもののストーリーとしては起承転結がしっかりとしていました。

第1巻の序盤、小御坂陸雄が村にやってきてから不穏な空気を出して、圭太達の犯罪が生まれるまで非常に短く描かれています。

つまり序盤からスピード感があるんですよね。

終盤になって物語を無理矢理まとめるため展開を急いだというよりも最初から最後まで同じスピード感で駆け抜けた感じなんですよね。

圭太がスケープゴートを用意して逃げ切る描写から純真無垢な恵理奈によって圭太が戻ってくるまでの結末は非常に収まりが良いので打ち切りによって連載終了したわけではないと考察します。

・筒井哲也作品に短編が多い

もう一つの理由は「ノイズ(noise)」の作者である筒井哲也さんの作品には短編が多い事が挙げられます。

ここで過去の筒井哲也さんの作品を見ていきましょう。

筒井哲也さんの過去作
リセット 全1巻(2004年)
マンホール 全3巻(2005~2006年)
予告犯 全3巻(2011~2013年)
有害都市 全2巻(2014~2015年)
NEETING LIFE 全2巻(2021~2023年)

いずれも3巻以内で収まる作品となっています。

筒井哲也さんの作品を多数読みましたが、漫画家でありながら小説家のような作り方をするハイブリッドな作家さんだなという認識なので、打ち切りによって連載終了したのではないと考察します。

各巻ごとのあらすじは以下にて紹介しています。

映画と漫画(原作)の違いはどこ?

ノイズ(noise)は2018~2020年に「グランドジャンプ」にて連載された漫画ですが、2022年には藤原竜也さん、松山ケンイチさん主演で映画化されています。

ノイズ(noise)のキャスト

ノイズ(noise)のキャストは以下の俳優が演じています。

ノイズ(noise)のキャスト
泉圭太:藤原竜也
田辺純:松山ケンイチ
守屋真一郎:神木隆之介
泉加奈:黒木華
青木千尋:伊藤歩
小御坂陸雄:渡辺大知
横田昭一;酒向芳
野毛二郎:迫田孝也
守屋仁美:鶴田真由
酒井義昭:波岡一喜
横田洋子:菜葉菜
岡崎正:寺島進
庄司華江:余貴美子
横田庄吉::柄本明
畠山努:永瀬正敏

漫画(原作)の違いはどこ?

私はノイズ(noise)の映画はUNEXTで見たのですが、基本的には原作をしっかりと踏襲したうえでストーリーが構築されていると思いました。

その中で原作(漫画)との違いがありましたので、その点について考察していきます。

映画と漫画(原作)の違い

・サスペンス感が弱まりヒューマンドラマ感が強くなっている

・エンディング(結末)が大きく異なる

・サスペンス感が弱まりヒューマンドラマ感が強くなっている

漫画版のノイズは次から次へと危機が迫るクライムサスペンス漫画として成立していますが、映画版のノイズはサスペンスよりもヒューマンドラマに寄った造りになっています。

ノイズの監督を演じた廣木隆一さんは過去に「マーマレード・ボーイ」「月の満ち欠け」「オオカミ少女と黒王子」「年の差婚」などを手掛けているようにサスペンスというよりも人間ドラマを描くことが得意な監督です。

この廣木さんのテイストがノイズに色濃く出ている形で作中でも1人語りのシーンが目立ちます。

このテイストの違いをどう受け取るかは見た人によって変わりますが、サスペンスのハラハラを味わいたかった人や漫画版を見て予備知識があった人については物足りなく感じたかもしれません。

逆にマーマレード・ボーイなどが好きな方にとっては作品の魅力が増したと言えるでしょう。

・エンディング(結末)が大きく異なる

漫画版の結末は圭太の偽装自殺を村中で隠し通す中で、最後の村の損得勘定などを持たない純粋な恵理奈によって偽装が暴かれ、圭太は罪と向き合う事になるという形のエンディングとなります。

一方で、映画版のエンディングは純が圭太の妻である加奈に恋心を寄せるがあまり、全ての罪を圭太になすりつけて刑務所送りにするというダークな恋愛漫画のような形になります。

漫画版も映画版も罪を犯してしまう点については同じなのですが、漫画版については犯した罪に対して正面から向き合っていく形、映画版は恋愛関係の拗れから罪を使用してあてつけた形となっているので、後味としては漫画版の方が良かったように思えます。

この点についてはストーリーを大幅に変えてきているので、かなり勝負を仕掛けてきたなと思いますね。

映画版「ノイズ(noise)」は無料で見る事が出来ますので、方法については以下を参考にして下さい。